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会場について
- 飲食・喫煙・トイレetc
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写真撮影について
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写真撮影NGな方は、お手数ですが申し出てください
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写真はPerl普及団体の JPA ( Japan Perl Association )への活動報告に利用します
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- 第1部
- 環境構築
- 第2部
- ターミナルとシェル入門
- エディタについて
- 第3部
- Perl入学式について
- Hello, World
OSは、Operating Systemの略です。
私達のコンピュータには、大抵の場合1つ以上のOSが搭載されていて、 OSの上でブラウザなどのアプリケーションが動作しています。
代表的なOSとして、次のようなものが存在します。
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Windows
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macOS
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Linux
Perlを利用して「本格的に」Webアプリケーションなどのプログラミングにチャレンジする方は、「Windows以外」のOSを利用することを推奨します。
これは、以下の理由からです。
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Windows特有のトラブルが多いこと
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WindowsでPerlを使っているユーザが少なく、トラブル発生時に対処出来る人が少ない
Perlだけでなく、PHPやRubyなど、他のプログラミング言語でもこの傾向があるように思います。
Linuxの利点は、基本的に無料で使えるという点です。
先進的な要素が多いUbuntu、安定稼働を重視して利用されるCentOSなど、多くの種類(ディストリビューション)が存在します。
また、ネットワーク上で様々なサービスを提供する「サーバー」のOSとして高いシェアがあります。
一方、macOSはMacBook AirやMacBook ProなどApple製のPCに搭載されています。
macOSの基礎になっているのはLinuxの前身であるUNIXというOSです。
LinuxとmacOSは、同じ血統を継ぐOSであると言えます。
特に問題が無い限り、既にお手持ちのPC/環境を利用して頂きます。
これまで説明した通り、Windowsは「本格的な」Webアプリケーションの構築には向いていません。
しかし、Perl入学式のカリキュラム内であればWindows環境でも問題ありません。
Windowsを利用している皆さんはWindowsで動くPerl環境を利用します。
「本格的に」Webアプリケーションを構築するようになったら、Linuxを使ってみるのがおすすめです。
Windowsとの共存も可能です。
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単体インストーラー方式(Active Perl、Strawberry Perl)
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開発環境エミュレート方式(Cygwin、msys2)
Perl入学式では、Linuxを利用するようになった際の親和性を考えてmsys2を採用します。
msys2は、Windows上でLinux環境に近いPerlの環境を構築できます。
「本格的に」Webアプリケーションを構築する場合はLinuxを利用するべきです。
Linuxはインターネットの黎明期に公開されたこと、無料であったことから、インターネットの爆発的な広がりに応える形で様々なソフトウェアが開発され、公開されました。
Linuxはインターネット上でサービスを提供する「サーバ」としての利用実績が膨大にあり、知見や知識が蓄積・公開されています。
Perlもまた、そのサーバで動くプログラムとして生を受け、主にサーバを住処として稼働しています。
Perl入学式では代表的なサーバOSであるLinuxの基本的な動作についても、Perlの基礎と合わせて入門しておくべきであると考えています。
msys2のメリット
- msys2を利用すればWindows環境をそのまま利用して環境構築が可能
- VirtualBoxなどの仮想環境と比較して、性能問題が発生しにくい
- VirtualBoxなどの仮想環境と比較して、要求するストレージが少ない
- Windows環境にほとんど影響を与えない
msys2のデメリット
- Linux環境を疑似的に再現している都合上、Windows用のPerlモジュールが利用できない
モジュールとは、Perlを便利に使うためのプログラムの集合です。
msys2はWindowsのためのソフトウェア配布かつ開発基盤です。
コアはネイティブなWindowsソフトウェアとのより良い相互運用を目的として現代のCygwinとMinGW-w64をベースに独立して書き直されました。 Bash shell、Autotools、バージョン管理システムそしてネイティブなWindowsアプリケーションを構築するためのMinGW-w64ツールチェインを提供します。
原文はこちらMSYS2 homepage
- CygwinはUnix風環境を再現するためのツール群で、MinGWやMSYS2のベースになっている
- MinGW(Minimalist GNU for Windows)はGNUツールチェインのWindows移植版
MinGW、msysどちらのパッケージもフリーソフトウェアです。
Win32APIを利用するためのヘッダファイルはパブリックドメインで提供されており、GNUツールの移植版はGPLである。MinGWの個々のGNUツール及びMSYSは、MinGWの公式サイトより入手可能である。
msys2でPerlの開発環境を構築する際、約1GBのストレージ容量を必要とします。
Cドライブの容量が心配な方は、必要に応じてDドライブやUSBメモリ等にインストールするとよいでしょう。
メモリ(RAM)はWindows自体がストレスなく動く環境であれば特に問題ありません。
一部のアンチウイルスソフトで誤検知を確認しています。アンチウイルスソフトはWindows Defenderを推奨します。
32 ビットと 64 ビットの Windows: よく寄せられる質問内の「コンピューターで実行中の Windows が 32 ビット バージョンであるか 64 ビット バージョンであるかを確認するにはどうすればよいですか?」を参考に判別します。
環境にあわせて、「msys2-i686-YYYYMMDD.exe」または「msys2-x86_64-YYYYMMDD.exe」を利用します。
利用しているWindowsが64bitOSである場合は、x86_64をダウンロードしてください。32bitOSである場合は、i686をダウンロードします
うまくダウンロードできない人はサポーターに聞いてください。
ファイル名のi686やx86_64はアーキテクチャ名であり、YYYYMMDDはmsys2がリリースされた日付です。
ダウンロードしたexe
ファイルをダブルクリックして開くと、インストールが始まります。
正常に終わらない場合は、右クリックして「管理者として実行」してください。
「MSYS2 xxbitのセットアップ」と表示されるので、「次へ」を押します。
デフォルトでは「C:\msys64」や「C:\msys32」と表示されます。
変更する必要がなければそのまま「次へ」を押します。
デフォルトでは「MSYS2 64bit」や「MSYS2 32bit」と表示されます。
任意の名前を指定できますが、変更する必要がなければそのまま「次へ」を押します。
ここまで完了すると「MSYS2 64bitのインストール」または「MSYS2 32bitのインストール」と表示され、実際にインストールがはじまります。
インストールが完了すると「MSYS2 64bitのウィザードの完了」または「MSYS2 32bitのウィザードの完了」と表示されます。
以下のどちらかのチェックボックスがオンのまま「完了」をクリックします。
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「MSYS2 64bitを実行中。」
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「MSYS2 32bitを実行中。」
インストーラーで「完了」をクリックするとmsys2が起動します。
次回以降は次のどちらかの方法で起動します。
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スタートメニューから「MSYS2 MSYS」を選択して起動
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インストールしたディレクトリ内の「msys2.exe」を起動
この「黒い窓」「黒い画面」のことを「ターミナル」「端末」と言います。
この場合は、「MSYS2」を選択します。
Perlを利用する場合は「MSYS2」が適しているため
~Windowsユーザ向け Perlのインストール~
パッケージマネージャはソフトウェアを管理するためのソフトウェアです。
利用するソフトウェアを最新で安全な状態に保つためには、パッケージマネージャが管理している情報の更新が不可欠です。
msys2ではpacmanというパッケージマネージャが利用されています。
これ以降、下記のように入力コマンドを示す記載が頻繁に例示されます。
# データベース情報のアップデート
$ pacman -Sy
「#
」から始まる行はコメントです。入力は不要です。
「$
」はプロンプトです。コマンドが入力ができる状態であることを意味します。
pacman -Sy
と入力し、行末でenterキー、またはリターンキーを押します。
次のコマンドを実行してpacmanが管理しているデータベースを更新しましょう。
大文字・小文字にも意味があるので、書いてある通りに入力してください。
# データベース情報のアップデート
$ pacman -Sy
pacmanを利用するといろいろなソフトウェアをインストールすることができます
さっそくperlをインストールしてみましょう
次のコマンドを実行してperlを利用すために必要なソフトウェアをインストールします。 すべて完了するまで少し時間がかかります。
# perlに必要なファイルのインストール
$ yes "" | pacman -S perl perl-CPAN msys2-devel make libcrypt-devel
msys2を一度再起動しましょう
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右上の×ボタンを押してウィンドウを閉じます
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その後、再度msys2を起動してください
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スタートメニューから「MSYS2 MSYS」を選択して起動
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インストールしたディレクトリ内の「msys2.exe」を起動
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次のコマンドを実行してperlのバージョンを確認します。
5.30
などと表示されれば、インストールは成功しています。
# perlのバージョンを確認する
$ perl -v
次のコマンドを実行してperlで利用するcpanが動作することを確認します。
# cpanの動作状況を確認する
$ cpan JSON::XS
# インストールが完了したら以下を実行。正常な場合は何も出力されません。
$ perl -MJSON::XS -e 1
既に別のPerlをインストールしている場合、環境変数PERL5LIBの影響を受ける場合があります。その場合は「PERL5LIB=」などを実行し、PERL5LIBを空にしてから実行してください。
msys2に限らずほとんど全てのソフトウェアは様々な理由でアップデートされます。
msys2では、次の通りpacmanの機能を利用することで、インストールされているソフトウェアを最新にすることができます。 定期的に実行しておくようにしましょう。
以下のコマンドを実行するとmsys2にインストールされているソフトウェアがアップデートされます。ただし、アップデートは多少時間がかかるため、ここでは実行せずに家で実行する ようにしてください。
# ソフトウェアのアップデート
$ pacman -Syu
更新内容によっては、全ての更新が1度で終了せずにmsys2を1度閉じてから、再度起動し、もう一度上記のコマンドを実行する必要があるので覚えておきましょう。
パッケージマネージャを利用したパッケージの検索とインストールの方法を紹介します。
もしもインストールが失敗する場合は、先ほど紹介したアップデートを実行してみましょう。
# パッケージの検索(perl-YAMLを検索する)
$ pacman -Ss perl-YAML
# パッケージ情報を確認(perl-YAMLを確認する)
$ pacman -Si perl-YAML
# パッケージのインストール(perl-YAMLをインストールする)
$ pacman -S perl-YAML
msys2ではwindowsのコマンドも実行できます。ただし、ターミナルの文字コードの問題で文字化けが発生します。
Windowsに用意されているstart
コマンドは、アプリケーションを実行するためのコマンドです。
これは非常に便利な機能です。試しに以下のコマンドを実行してみてください。
# startの後にスペースと.(ドット)を入力して実行
$ start .
現在のディレクトリでExplorerが開いたはずです。
先ほどのstartコマンドで開いたExplorerのディレクトリパスを見てみましょう。
次のようなパスになっているはずです。
# XXはアーキテクチャによって変わります。
# <User>の部分は皆さんが利用しているユーザー名です。
C:\msysXX\home\<User>
msys2は標準で C:\msysXX\
配下に様々なディレクトリを作成します。
そのため、ファイルの編集にはWindowsのアプリケーションをそのまま利用することができます。
大切なことなので、必ず覚えておいてください。